高齢者の介護生活は住み慣れたところで

高齢者を介護する生活は誰にでも訪れる可能性があります。すでに少子化や高齢化社会となってきていることもあり、これから数十年後には介護される高齢者の数が若い人たちよりも多くなっているかもしれません。今後のことも踏まえた上で、快適に介護生活ができるように工夫することが大事です。まず、介護される高齢者の意見を参考にしましょう。当事者が苦痛に感じるようなところでの介護生活はさらに悪影響を与えてしまうからです。どこで介護をされたいのか、要望はできるだけ取り入れてあげることが重要となります。快適な環境に置かれていれば、身体や精神の安定も期待できるはずです。

一般的に言われているのは、生まれた土地で暮らすことです。実家があれば実家で暮らした方が気楽だという人が多くなっています。生まれた土地といっても、人によっては戻りたくない人も居るため、その点はよく考えた上で移転や移住するなり決断しましょう。高齢者の中には地元が一番暮らしやすいと考える人が多くなっています。

住み慣れた地域での暮らしは周囲の環境なども整っていたり、理解できていたりするものです。介護が必要な高齢者といっても、自分である程度はできる人も居ます。近所への買い物くらいならできるという人なら、当事者にとって買い物しやすいところに身を置いた方が快適です。このような理由から生まれた土地や実家などを拠点とした介護生活を送る人が多くなってきています。もちろん、介護する人間の意見も尊重しましょう。

快適な暮らしを整える地域包括ケアシステム

日本の地域包括ケアシステムは、高齢者の方も親しみのある地元で最後まで快適な暮らしができるように、地域で充実した生活支援を行うものです。看護と医療を融合した支援と、介護予防の取り組みが進められています。日常生活が無理なく送れるために、自宅から30分圏内に病院や介護施設、自治体やボランティアの活動場所などが揃った仕組みを地域包括ケアシステムと呼んでいます。

要介護状態や、体に不自由があっても自分らしい毎日を送れるように介護、医療、予防、生活支援、そして長い時間を過ごす住まいでの暮らしを大切にしたサービスが展開されています。介護サービスは、主に自宅型、施設型、入所型があります。自宅型は、訪問介護サービスなど自宅で介護サービスが受けられるものです。施設型は、自宅の近くにある施設に通ってサービスを受けます。入所型は施設に住む形でサービスを受けることができるこの3タイプから選び、介護サービスを利用できます。

医療サービスは、地域の病院では定期的な通院などの医療サービスを提供し、病気にかかった際の入院は急性期病院、病状の程度によって回復期はリハビリ病院でサービスが展開されています。地域と医療機関の手厚い連携で、医療サービスを安心して受けられる環境が整っています。介護予防、生活支援を行うサービスは、見守り安否確認や配食の提供、食材の配達、自治体やボランティア主催のカフェなどのイベントが開催されています。地域との繋がりを深く感じることができ、自宅でも過ごしやしすいサービスが数多く用意されています。1人1人の暮らしを大切に、住まいの在り方を尊重した自立を支えるサービスが展開されています。地域包括ケアシステムについては、こちらにわかりやすく記されているので一読してみてください。